Tokyo Contemporary Art Award

TOP > 展覧会

2022-2024 2021-2023 2020-2022 2019-2021
Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展

さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展

中堅アーティストを対象に、受賞から複数年にわたる継続的支援によって、更なる飛躍を促すことを目的に、東京都とトーキョーアーツアンドスペースが2018年度から実施している現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」。
第3回となる「TCAA2021-2023」受賞者の志賀理江子、竹内公太による受賞記念展を開催します。

展覧会概要

第3回受賞者の志賀理江子と竹内公太による本展には、「さばかれえぬわたくしへ / Waiting for the Wind」という言葉を冠しました。この言葉は、TCAA授賞式から始まった志賀と竹内の対話の中から生み出された、いわば本展で唯一の2人の共同作品と言えるものであり、人々が抱える内面世界への呼びかけでもあります。

2011年の被災後、突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉えなおした志賀、第二次世界大戦時の兵器「風船爆弾」のリサーチにもとづき、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」による新作を発表する竹内。東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、対話の中で見出された共通の認識を持ち、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成します。

会期
2023年3月18日(土)- 6月18日(日)
休館日
月曜日
開館時間
10:00-18:00 ※5月13日(土)~28(日)の土日は20:00まで開館します。
会場
東京都現代美術館 企画展示室3F(東京都江東区三好4-1-1)
主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーアーツアンドスペース・東京都現代美術館
入場料
無料

展覧会のハンドアウトはこちら

※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更が生じる場合があります。
ご来館時のお願いについてはこちら

1980年愛知県生まれ、宮城県在住。
2008年に移住した同地で、その地の人々と出会いながら、人間社会と自然の関わり、死の想像力から生を思考すること、何代にも溯る記憶などを題材に制作。東日本大震災における社会機能喪失や、厳格な自然法則による体験は、その後、戦後日本のデジャヴュのような「復興」に圧倒されるという経験に結びつき、人間精神の根源を、さまざまな制作によって追及している。

展覧会へよせて

制作の土台として、この2年間、宮城県美里町にあるスタジオにてさまざまな方を招き、トーク、レクチャー、ワークショップを行ってきました。生活の場でもある制作場所を開くことで、実にさまざまな体験に恵まれ、想像すらしなかった新たな出会いが沢山ありました。

その経験は、2011年の震災後、大きな資本と抗うことが困難な国家の計画に圧倒され続けた、この12年間の復興を、近代の抑圧としてだけ考えるのではなく、どこかではこれまでとは違う角度から考える発想や、さまざまな道、もしくは拮抗するような力が生まれ、それぞれが密につながることがあるという可能性を示唆する営みでもありました。この自らの体ひとつを鏡のようにして、この時間に起こった出来事の蓄積から、展示室へ照らし返すような展示ができればと思っています。

《バイポーラー》よりスチル画像 2022

《バイポーラー》よりスチル画像 2022

《バイポーラー》よりスチル画像 2022

《バイポーラー》よりスチル画像 2022

1982年生まれ、福島県在住。
パラレルな身体と憑依をテーマに、時間的・空間的隔たりを越えた活動を展開する。建築物、石碑、彫刻、公文書、郷土史家や目撃者のインタビューといった人々の記憶に触れながら、地図、ストリーミング映像、UAVカメラなどの多角的な視点で、メディアと人間との関係を探る。

展覧会へよせて

戦時中に日本がアメリカを攻撃するため放った「風船爆弾」について、2021年にその着地点のひとつをグーグルマップと米軍の文書記録から特定できました。そして、TCAAの渡航支援でワシントン州ハンフォード・サイト近くのその場所へ行きました。2022年9月には、風船を放った場所のひとつである福島県いわき市で、美術館や博物館にお願いして市民の皆さんと歴史を探る散策会をしてもらいました。海を隔てた人たちとのコミュニケーション手段が発達しても、人類は兵士や爆弾を送ることを止めないことが、連日の報道で伝えられています。いま、かつて風船が飛来した地面を想像して絵を描いています。

プロフィール、受賞理由等はこちら
インタビューはこちら

《地面のためいき》 2022、インスタレーション 撮影:川越健太

《シューティング(コールドクリーク)》 2022、写真

《三凾座の解体》 2013、映像インスタレーション、33分23秒

《眺めの回収/風船憑依》より「アラスカ州アッツ島」 2022、紙にインク、C-プリント

イベント

出展作家による作品解説や、作家に縁のある専門家をゲストに招いたトーク・イベント等を開催します。

[クロージング・トーク]※終了しました

開催日時
2023年6月18日(日) 18:30-20:00(受付 18:00)
出演
志賀理江子、竹内公太
会場
東京都現代美術館 企画展示室 3F (江東区三好4-1-1)
定員
50名
申込締切
6月17日(土)

※入場無料・要事前申込

※18:00までにご入館ください

申込締切日までに、予約フォームよりお申し込みください。

予約フォーム >> ※予約受付は終了しました

[レクチャー&トーク]※終了しました

開催日時
2023年6月16日(金) 18:30-20:00(受付 18:00)
出演
宮本ゆき(デュポール大学教授)
ファシリテーター
志賀理江子
会場
東京都現代美術館 企画展示室 3F (江東区三好4-1-1)
定員
50名
申込締切
6月15日(木)

※入場無料・要事前申込

※18:00までにご入館ください

[志賀理江子によるギャラリー・トーク]※終了しました

開催日時
2023年①4月23日(日)②5月13日(土)、③5月14日(日) 各回11:00-12:30(受付 10:45)
出演
志賀理江子
会場
東京都現代美術館 企画展示室 3F (江東区三好4-1-1)
定員
各回30名
申込締切
①4月22日(土)、②5月12日(金)、③5月13日(土)

※入場無料・要事前申込 

[竹内公太によるアーティスト・トーク]※終了しました

開催日時
2023年3月25日(土)14:00-15:30(開場 13:30) 3月24日(金)17:30-19:00(開場17:00) 
出演
竹内公太、ジェイソン・ウェイト(キュレーター/ライター/カルチュラル・ワーカー)、富井玲子(美術史家/ポンジャ現懇主宰)
会場
東京都現代美術館 地下2階研修室1(江東区三好4-1-1)
定員
40名
申込締切
3月24日(金) 3月23日(木)

※入場無料・要事前申込/日英逐次通訳あり

[アーティスト・トーク]※終了しました

開催日時
2023年3月19日(日)14:00-15:30(開場 13:30) 
出演
志賀理江子、竹内公太、キャロル・インハ・ルー(北京中間美術館 ディレクター/TCAA 2021-2023選考委員長)
モデレーター
塩見有子(特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ ディレクター/TCAA選考会運営事務局)
会場
東京都現代美術館 地下2階講堂(江東区三好4-1-1)
定員
200名
申込締切
3月18日(土)

※入場無料・要事前申込/日英同時通訳あり

[関連展示]

志賀理江子が、自身の運営するスタジオ・パーラー(宮城県遠田郡美里町小牛田)のオープン・スタジオにて、本展関連展示を開催します。
詳細は作家のインスタグラムからご覧ください。

モノグラフ

作品画像のほか、作品や制作についての作家の文章、専門家による寄稿を掲載したモノグラフ(作品集)を展覧会開幕に合わせ、作家ごとにバイリンガルで発行します (非売品)。
なお、モノグラフをPDFデータとして本ウェブサイトで公開しています。

[会場配布]※予定数に達したため、配布を終了しました。
イベント参加者のうち、アンケートにご回答の希望者へモノグラフを配布します。

[郵送配布]※予定数に達したため、配布を終了しました。
希望者にモノグラフの郵送を行います(送料は自己負担/ 700円程度)。
6月30日(金)までに、メール本文に必要項目をご入力のうえお申し込みください。申込受付後に、詳細を返信メールにてお知らせいたします。

【配布について】
・在庫がなくなり次第終了といたします。
・1名につき各1部の配布といたします。既にお持ちの方は、お申し込みいただいてもお渡しできません。
・お申し込み内容に不備があった際など配布が難しい場合には、ご連絡させていただきます。

メール申込 >> ※予定数に達したため、配布を終了しました。

件名:モノグラフ郵送申込
①希望モノグラフ:1~3の番号でお答えください。
 1. 両作家、2. 志賀理江子、3. 竹内公太
②申込者氏名(フルネーム):
③住所:
④メールアドレス:

2日以上経っても返信メールが届かない場合は、お手数ですが下記までご連絡ください。

※本メール申込では、国内郵送のみ承ります。
海外発送をご希望の場合は、下記までお問い合わせください。
*This application is only available for domestic mailing.
If you would like to ship internationally, please contact us at the following address.

【お問い合わせ|Inquiry】
トーキョーアーツアンドスペース「Tokyo Contemporary Art Award」担当
Tokyo Arts and Space Office “Tokyo Contemporary Art Award” team
Email:tcaa_monograph@tokyoartsandspace.jp

会場風景

撮影:髙橋健治

TCAA 2021-2023 概要

2020年6月に公募を行い、選考委員が、公募者を含む候補アーティストを推薦し、議論によりノミネートアーティストを選出。その後、各アーティストの事前調査、オンラインを活用したスタジオ訪問や面接など、対話による審査を経て、2名の受賞者を決定しました。

選考委員(敬称略) ※肩書きは選考当時のものです。
ソフィア・ヘルナンデス・チョン・クイ(クンストインスティテュート・メリー ディレクター)
住友文彦(アーツ前橋 館長/東京藝術大学大学院 准教授)
高橋瑞木(CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)エグゼクティブディレクター兼チーフキュレーター)
キャロル・インハ・ルー(北京中間美術館 ディレクター)
鷲田めるろ(十和田市現代美術館 館長)
近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペース プログラムディレクター(公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館トーキョーアーツアンドスペース事業課長)

選考会運営事務局 
特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT/エイト]

本展のプレスリリースはこちら
東京都プレスリリースはこちら